商品について
フルバランス構成の出力アンプ回路と最新のデジタルフォーマット対応のUSB入力を装備したCD/SACDプレーヤー D-05u
◆ディスクドライブ・メカニズム
・高剛性オリジナル・ディスクドライブ・メカニズムLxDTMの搭載により、高精度なデジタル情報の読み取りを実現。
・一般的なセンターメカ構造を避け、物量を投入したアナログ回路のための容積の確保や各種信号の理想的な流れ、振動経路、重量バランスを検討しつくした結果、アシンメトリー(非対称)構成のレフトサイド・メカ・レイアウトを採用。
・メカニズム全体を強固なシャーシによって囲うボックス構造で、外来振動をリジッドに遮断。
◆デジタル回路
・USB入力は、最大192kHz/32bitのPCMデータと、DSDデータ(2.82M、5.64MHz)に対応。S/PDIF入力は、最大192kHz/24bitのPCM信号に対応。
・PCM信号はデジタル・フィルターにより、DSD信号はアナログFIRフィルターにより、それぞれ2 種類の音質を切替可能。
・発振周波数付近のノイズを低減する、高精度・低ジッターの低位相雑音クロックモジュールを搭載。
・USBはアシンクロナス通信により、CDとS/PDIFは内蔵するDAIRの高精度クロックで、SACDは専用のジッターリダクションチップで低ジッター化。
・D/AコンバーターにはTI社製PCM1795 をデュアル構成(モノラルモード)で採用。
◆アナログ回路
・モノラルモードで動作させたD/Aコンバーターの差動出力を、完全バランス構成(同一構成のアンプ×4基)の高音質バッファー回路へ入力し、次段アンプを強力にローインピーダンス・ドライブ。
・大型電源トランスから各回路独立のレギュレーター+大容量ブロックコンデンサーを経由する高慣性(ハイイナーシャ)の電源環境を構築。
◆機構
・シャーシ電流によるアースインピーダンスの上昇や発生磁界の影響を隔絶するループレスシャーシと、デジタルノイズを遮断するシールドシャーシの複合構造。
・大型のプラグを装着した高性能なラインケーブルにも対応する18mmピッチ金メッキ仕上げのRCA端子とノイトリック社製高級XLR端子を採用。
◆その他
・FLAC/ALAC/WAV/AIFFなど、さまざまなフォーマットに対応したオリジナルの高音質音楽再生ソフト LUXMAN Audio Player を付属(Windows/Mac)。
・精緻なブラスターホワイトの仕上げに映える、視認性に優れたズームおよびディマー機能付き各種モード表示用FLディスプレイ。
・操作性に優れたテンキー付きスリムタイプのアルミ製リモコンを付属。
「D-05u」は、ラックスマンのSACDプレーヤー「D-05」の後継機。前作にはなかったUSB入力を新たに搭載。左側にディスクトレイを配した独自のレイアウトが目を引きつける。この配置は一般的なセンターメカ・レイアウトとは異なるが、適切な信号経路の実現と同時に、メカ部とアナログ回路を物理的に離す効果も狙っている。
バランス接続でプリメインアンプにつなぎ試聴した。剛性が高く仕上げの良いトレイにCDを乗せると、スムーズで静かなローディング動作から高級プレーヤーらしさが伝わってきて、再生音への期待がふくらむ。
ムジカ・ヌーダの『Complici』を再生すると、低音から高音までヴォーカルの力が抜けず、密度の高い声を再現することに強い印象を受けた。エコーを抑えた自然なヴォーカルは肉声感が強く、意外なほどの豊かなボディ感も感じさせるが、味付けが濃いイメージではなく、ヴォーカリストの声にそなわるエネルギーを漏らさず引き出した印象。特に、どの音域でも声が乾いたタッチにならない点に感心させられた。ベースのピチカートは音が立ち上がった瞬間から最大級のエネルギーが乗っていて、消えるときにも余分な音を残さず、引き締まったリズムを刻む。メカまわりのリジッドな設計がダイレクトに音に反映していることを実感する。
最後にUSB入力の音を聴く。ディスク再生で感心させられた音色の美しさと密度の高さはそのまま聴き取ることができた。そして、ハイレゾ音源ならではの高い空間精度、音場の透明感の高さがそれに加わって、前後左右に見通しの良い音場が広がることが本機のUSB-DACのアドバンテージだ。
文:山之内 正
※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。