商品について
リファレンスセパレートアンプのパフォーマンスを一筐体に統合した新世代のプリメインアンプ
リファレンスセパレートアンプのパフォーマンスを一筐体に統合した新世代のプリメインアンプ
バランス入力、アンバランス入力それぞれに専用のHDAM-SA3モジュールによるディスクリート構成の電流帰還型インプットバッファーアンプを搭載。入力信号を低インピーダンス化することによりL/Rチャンネル間、入力ソース間の干渉を排除し、入力信号を劣化させることなく伝送します。
■コンスタント・カレントフィードバック・フォノイコライザー
MC Low、MC High、MMの3種類に対応。フォノイコライザー回路は専用の銅メッキ鋼板+珪素鋼板によるシールドケースに収め、外来ノイズから繊細な信号への影響を排除しています。
■ 定格出力400W / 4Ω BTL構成パワーアンプ
Hypex社製 NCore NC500スイッチングアンプモジュールをチャンネルあたり2基、L/R合計4基のモジュールを使用するBTL構成により400 W / 4Ωの大出力を実現。
マランツの旗艦プリメインアンプ「PM-10」は、高性能スイッチングアンプの採用などによりセパレートアンプの優位性を1筐体のプリメインで実現している。
単体プリアンプである「SC-7S2」を進化させた、フルバランス/フルディスクリートのプリアンプ。バランス入力のみを備え、一般的なパワーアンプの最終出力段の役割のみを果たすスイッチングアンプを搭載。このスイッチングアンプを支える電源として、スイッチング電源を筐体右側にL/R個別配置する。
本機を最初に聴いたのはマランツの開発用リスニングルームだったのだが、ここで私は、ダブルウーファーを搭載するB&W「800 D3」をストレスなく、スムーズにドライブできる制動力の高さを見せつけられた。スピーカーの背後にパワーアンプが隠されているのではないかと思うほど、開放的に朗々と鳴らしきっていることには驚かされた。
今回は、音元出版の試聴室でも音質を探ったのだが、ヴァイオリン、チェロ、コントラバスなど弦楽の響きを決して硬くドライな質感にせず、音数の多い豊潤な音で再現してくれた。
ジャズ・ファンやワーグナーの愛好家が気にする金管楽器やドラムスのシンバルの響きは、アナログレコードの質感に迫るほど緻密で、金属らしさを鮮明にする。アグレッシブなマイルス・デイビスのトランペットやワーグナーのマッシブなブラス群において、俊敏な音の立ち上がりを示し、そのレンジ感に溢れた音ゆえにオーディオを聴いていることを忘れて、なんだか高揚した気分になってくる。
クラシック愛好家なら、本機でエリック・サティ、ドビュッシー、プーランクなどのフランス作曲家のピアノ曲を聴いてみるとよい。ハンマーが強力に打鍵した音も濁すことなく、余韻が消え入るまで美しく再現してくれるだろう。テクニックを駆使したピアニシモの音階に、デリカシーと真珠のような柔らかな輝きが聴けるはずだ。
本機は、マランツのリファレンス・セパレートアンプ、プリアンプSC-7S2とモノラル・パワーアンプ「MA-9S2」を昇華したプリメインアンプと言える。もはやプリメインアンプの枠を超えてしまったのではないかと思うほどだ。卓越した技術と長く愛用できるデザイン、そしてこの価格設定は、多くのオーディオファイル、音楽愛好家、さらにスタジオエンジニアまでも引きつけるもので、ベストセラーになることが約束されていると言える。
文:角田郁雄
※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。
型番的には従来のPM-11S3からの進化モデルのようだが、マランツ内部では同社のリファレンスである、プリSC-7S2、モノラルパワー「MA-9S2」の合体以上の音質を目指したとしている。「大出力と圧倒的なスピーカー駆動力」、「フルバランス回路」、「独立電源(プリ/左パワー/右パワー)」の3要素を一筐体に統合するという野心的な試み。
特にパワーアンプをスイッチング方式に変えたのが、業界を驚かせた。ユニットは、世界的に定評のあるHypexのスイッチングアンプ・モジュールを使いこなした(マランツでは、「デジタル」とは称していない)。プリアンプ部のマランツ秘密兵器、ハイスピードアンプモジュール「HDAMR」と相携えて、繊細にしてパワフル、クリヤーで透明度の高い高品位な音だ。音の立ち上がり、立ち下がりも俊敏だ。マランツらしい安定感の高い、音楽的なサウンドが体感できる。