商品について
レギュラーモデルを大きく上回る改良を加えパフォーマンスを高めた
日本でのみ発売されるワンランク上のCarot Oneです。
レギュラーモデルを大きく上回る改良を加えパフォーマンスを高めた、日本でのみ発売されるワンランク上のCarot Oneです。
伊Carot Oneは2010年の日本導入以来、「スタイリッシュかつ高音質なデスクトップオーディオ」という新しいジャンルを切り開き、いわゆるオーディオファンを超えて多くのユーザーに愛されてきた。
ここで紹介するプリ/ヘッドホンアンプ「FABRIZIOLO EX」は、EXという名称が追加された、日本のみでの展開というスペシャルラインナップだ。
そのEXたる所以は、まず、真空管をJJ製の「ECC802S」としたこと。しかも数ある量産品の中からオーディオ用として適したものを選別して採用しているという。さらにオペアンプ部には、これも従来のものよりグレードの高いバー・ブラウン社製の「OPA2604」にリプレイスした。また、出荷時に全ての製品のバイアス調整や左右のレベル調整を国内で行ってから、全国に出荷されるというこだわりぶり。それはデザインにも及び、真空管の周りには、「EXCLUSIVE EDITION」と刻まれたリングが配置された。さらに天板も上品な光沢を放つ梨地仕様に。繰り返すようだが、このようにイタリアの大らかで大胆な発想やセンスと、日本の緻密で繊細なテクノロジーとが一体となっているのだ。
では、試聴に移ろう。プレーヤーにAstell&Kernのハイレゾ対応ポータブルプレーヤー「AK1120II」、ヘッドホンにオーバー型のシュア「SHR1840」、イヤホンにAstell&Kernとベイヤーダイナミックによるコラボレーションモデル「AK T8iE」を使用した。
まずSHR1840では、パンチブラザーズの楽曲そのものの勢いを如実に現した。特にボーカルの立ち上がりが早く、その存在感を否応なく示している。原田知世では、透明度の高いボーカルが耳に響いた。ベースやアコースティックギター、ピアノなど音楽を構成するパートに不必要な響きや粘りがなく、爽やかにバランスする。ところが、その印象がAK T8iEに変更すると変化するから面白い。
原田知世はボーカルやコーラスの輪郭がくっきりし、ホーンセクションの高域にも輝きが乗る。ベストマッチだと思ったのはキース・リチャーズだ。ドラムスやベースの勢いが増し、エレキギターにも鋭さが加わって、スリリングな表情を見せるからだ。ざらりと枯れた味わいの歌声のニュアンスも十分に感じることができた。また、中島ノブユキではストリングスが創出する立体的なサウンドを味わえる。ミカ・バンドでもベースやドラムスの勢いの良さ、エレキギターのカッティングの明瞭さに驚いた次第だ。
音のクオリティの高さはもちろん、スマートフォンやパソコンとさりげなくつなげて、デスクトップでも音楽に浸れること。そんな、これからを考えたとき、オレンジ色のコンパクトボディを思い起こしてほしい。
文:中林直樹
※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。