商品について
際立つダイナミックレンジ
パワー
Grandioso C1 直系のフルバランス・プリアンプを搭載し、Grandioso S1 をそのままコンパクトにまとめたハイパワーアンプモジュール搭載のF-05 は、F シリーズの中核モデルです。ダイナミックにステージを開放するパワー、表情豊かに展開する⾳楽の躍動感を⼤切にする⽅に特にお勧めです。上位モデル同様、プリアンプからパワーアンプ最終段まで、デュアルモノーラル構成を徹底。
ESOTERIC デジタルプレーヤーから最高のポテンシャルを引き出します。
エソテリックのフラッグシップ“Grandioso”シリーズ直系のデュアルモノでフルバランス回路設計を採用し、セパレートアンプの技術を取り込んだ一体型プリメインアンプが、AB級の「F-05」とA級の「F-03A」だ。
増幅部がAB級のF-05とA級のF-03Aは、回路構成から使用パーツまで多くの共通項を持つ。まず、入力切り換えとプリアンプ機能はバックパネル付近に集約し、入力端子からして左右の基板は分割している。
ボリュームはバランス構成のデュアルモノでラダー抵抗切り替え型。ノブはその感触には強くこだわり、全て無垢アルミ削り出しを採用する。
トーンコントロールは各バンド4回路で3バンド分必要。各帯域の中心はバス63Hz、ミドル630Hz、トレブル14kHzとした上に、0.5dBステップ(最大12dB)とし、現代のハイファイ再生に使える仕上げだ。使いながら聴いても透明感は変わらず、高い音質を保てる。
アナログレコード再生用のMC/MM対応フォノイコライザーなども備える。電源部には940VAのEI型電源トランスを中心に設計し、低インピーダンス化を目指した構成となっている。
F-05は120W(8Ω)から240W(4Ω)まで、F-03Aは30W(8Ω)から60W(4Ω)までの理論値通りの出力値を達成。
それぞれK-03Xから入力し、タンノイのケンジントンGR+プレステージGRスーパートゥイーターを鳴らすシステムとして試聴した。
F-05は左右や天井方向にも響きがきれいに広がり、晴れやかで伸びやかな屈託のないものだ。竹内まりや「シングル・アゲイン」では、ボーカルはしっとりしつつ、しなやかなトーン。ベースとドラムスのキックの分離も良好。低域には粘りもある。クラシックでは、若干おだやかなテンションの品の良い音を聴かせてくれる。
F-03Aはいい意味でA級らしくない、ひたすらハイファイ性能を極めた高い表現力を持っている。ドラマティックな曲はぐっとドラマティックに、大編成のクラシックなどはその音数の多さを克明に見せつつ、空間表現力豊かに聴かせてくれる。レンジ的にも最低域から超高域まで実にリニアリティが高い。音楽の大事なところを見事に聴かせてくれた。
F-05、F-03Aの両機は、充実した機能を搭載しながら高品位再生を実現する、今までの枠を遥かに超えた待望のハイエンドプリメインの誕生と言えるだろう。
文:鈴木裕
※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。