商品について
「音」に込められた想いまで
耳元へ
1. 新設計のフルデジタルアンプS-Master HXによる更なる高音質を実現
・DSD11.2MHzネーティブ再生(バランス接続時)
PCM最大384kHz/32bit(float/integer)
・バランス出力に対応
・従来比約4倍の高出力
アンバランス出力: 60mW+ 60mW(16Ω)
バランス出力 :250mW+ 250mW (16Ω)
2.接続安定性の高いJEITA新規格φ4.4mmバランス接続対応
音質にこだわった高性能なジャックを採用
3.高音質を追求したこだわりの高音質パーツ
筐体:無酸素銅
アンプからヘッドホンへの線材:KIMBER KABLE(R)社との協力によって開発された4芯Braid(編み)構造のケーブル
4.高音質にこだわった音響処理
・5つのモードに新対応したDSEE HX
・6つのモードを選択できるDCフェーズリニアライザー
・10バンドイコライザー/トーンコントロール
5. 専用機としての使いがってのよさ
・音楽再生に特化した新UI、タッチパネル、サイドキー
・大容量内蔵メモリー:256GB
・microSDメモリーカードにも対応
・Bluetoothのワイヤレス再生時もハイレゾ相当の高音質を実現するLDAC
ウォークマンのフラグシップ機「NW-WM1A」「NW-WM1Z」は、シャーシの素材と一部のパーツが異なるだけの姉妹機だが、音を聴き比べてみると、予想していたよりも大きな違いがあった。価格が倍以上違うのだから当然と思うかもしれないが、そういう上下関係よりも、音の志向がそもそも異なるという印象を受ける。好みに合わせてリスナーが選ぶことを前提に音を追い込む手法は、ホーム向けのハイエンドオーディオではよくあることで、単純な優劣で選べない奥の深さがある。
シャーシにアルミ削り出し材を使うWM1Aは、これまでのフラグシップ群のなかでも、特にZX1の鮮鋭感とダイナミックな鳴り方を引き継ぎつつ、高域をほぐして子音の硬さやパーカッションの過剰な粒立ちを抑え、上級機にふさわしい自然な方向にチューニングしている。ベースが刻むリズムは、アタックの歯切れの良さの割に豊かな量感と厚みを引き出し、強いビート感をアピール。ヴォーカルは輪郭を強めず肉声感があるが、柔らかさやぬくもり感でアナログ的な演出を加えるのではなく、録音の特徴をそのまま忠実に引き出している印象。
以上はバランス接続での印象だが、アンバランス接続でも音調は大きく変わらず、ディテールをていねいに描き出す繊細な表現力が備わる。
一方のWM1Zは、高音がシルキーで柔らかく、一音一音の質感が高い。ひとことで言えば、これまで同社のポータブルオーディオから聴いたことがないような音がする。そして、その柔らかさのなかにも良い意味で芯の強さと密度感があり、演奏から思いがけず豊かな起伏と強い緊張を引き出すことが重要なポイントだ。例えば、クラシック音楽は柔らかく穏やかな音で聴くべきという勘違いがいまだに消えていないが、生身の人間が直接引き出す楽器の音には凄まじいエネルギーが乗っていて、それが正確に伝わるか否かで印象が大きく変わる。WM1Zはそこを確実に押さえている。
文:山之内 正
※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。