商品について
2WAYシステムにおいて高音域と低音域がぴったり同じタイミングで耳に到達するUni-Qドライバー
■フルアクティブシステム
192kHz/24bitのハイレゾ対応。バイアンプデュアルモノ構造230W×2内蔵
■多彩なインプット
2.4GHz/5GHzのデュアルバンドWIFI、ブルートゥース4.0aptx、USBタイプB、TOSLINK光入力、RCAアナログライン入力
伝統と技術革新。オーディオ製品でこの相反する要素を両立するのは容易でない。KEFのワイヤレス・アクティブスピーカー「LS50 Wireless」は、それを実現した注目の製品だ。
国内外で数々のアワードを受賞した「LS50」をベースに、パワーアンプを内蔵。さらには2.4GHz/5GHzのデュアルバンドWi-Fiも備えた。
入力は、ハイレゾ再生に対応した有線LAN/Wi-Fiからのネットワーク再生、USB入力によるパソコン再生に加え、Bluetooth(BT)再生、光デジタル入力、アナログ入力と多彩なソースに対応する。
ただし、単にLS50を多機能化したスピーカーではない。KEFの様々な技術をアンプやクロスオーバーネットワークに投入することで、ベースモデルを超える音質を狙った野心的なスピーカーなのだ。
湾曲バッフルや楕円フレキシブルサウンドポート、位相特性に優れた独自の同軸2ウェイユニット「Uni-Q」はLS50と同様だ。
通常のアクティブスピーカーは、小型で扱いやすいクラスDアンプで全てのユニットを駆動する場合が多い。しかし本機は高域用には低歪で特性の良いアナログアンプを使用し、特性の全く違う2種類のアンプをDSPによって制御するという、高度な駆動方式を採用する。
USB-DAC再生では、女性Jazzシンガー「キャンディス・スプリングス - 『Soul Eyes』(96kHz/24bit)」を聞いた。左右スピーカー中央に彼女のボーカルが浮かび上がる。上下レンジも広く、低域の伸びも良好、ベースの沈み込みは小型スピーカーとは思えないほどである。位相特性が優れていると各々の楽器の位置が明瞭にわかるのだが、本機は1つの音が出た瞬間にスピーカー間に「ポ!」(ポッ!ではないことがポイントだ)と瞬間的にその音が現れる。
BT再生では、iPhone 5sを利用してSpotifyからダイアナ・クラールを再生。圧縮音源かつBT接続なので、ハイレゾ楽曲を再生したほどの情報量はない。しかし同軸2ウェイ構成による上下レンジの広さと、ピンポイントのボーカル表現は共通する良さである。
パワーアンプ内蔵スピーカーというと、“お手軽な一体型”というイメージを持つ方も多いはずだが、本機は違う。スピーカーに最適なアンプとデジタル領域での処理を内蔵することで、むしろその性能を最大限発揮することを可能にしたと言える。
文:土方久明
※AV/オーディオ/ガジェット情報サイト「PHILE WEB」所収記事を短くまとめたものです。